ヒナの成鳥を楽しみに見ていたら、ある日カラスに連れ去られてしまったということが、とてもよくあります。カラスも子育てをしていてヒナに食べものを運んであげないといけないのはツバメと同じなのですが、近所の巣が次々とカラスに襲われることが続くと、その地域にやってくるツバメがいなくなってしまう原因にもなります。
フン受けのイラストを描いてもらっている小川美奈子さんと一緒に、カラス避けやフン受けを付けさせてもらう「ツバ活」をしています。簡単なカラス避けを設置すればツバメを守ることができますので、ぜひ皆さんにもお勧めします。
写真は東京のJR八王子みなみの駅周辺のツバメの巣に付けさせてもらったカラス避けです。ツバメの巣がある建物の関係者の方を訪ねてお願いすると、どこもカラス避けの設置を快諾していただけました。お願いすると受け入れてもらえることが大半ですので、少し勇気を出して話をしてみましょう。ツバメかんさつ全国ネットワークのWebサイトにあるポスターやツバメQ&Aを印刷して持っていくと、説明がしやすいかもしれません。
ツバメのフン受けを付けてある場合は、その縁から天井にヒモを張るのが簡単です。この例では黄色い水糸を使っています。鳥に見えないテグスを使うのは危険なので、絶対に止めて下さい。
カラスが近づきにくいように麻紐を張っています。
特殊な塗装の天井でテープがくっつかないので、少しでもカラスの障害になるよう巣の手前に水糸を張りました。巣がとても小さくて大きくなったヒナが落ちてしまったので、横に小箱を付けて3羽のヒナを移しました。もとの巣に2羽残していましたが、その後この2羽も自分で小箱に飛び移り、広々した小箱で成長して無事に巣立ちました。容器が深いとヒナの餌乞が親ツバメに見えないし、容器の中に糞が落ちて不衛生になるので、外からヒナの顔が見えるくらいに多めのワラを敷いてあげて下さい。紙は湿気るし、布はヒナの爪に引っかかるので、ワラが一番です。
ツバメ観察全国ネットワークにはカラス対策の記事もあるので、カラス対策を考えている方はこちらも参考になさってください。