この記事は2015年4〜8月に発行した週刊つばめニュースを修正したものです。
関東でツバメが多い鉄道会社はどこ?
2013年に、都市鳥研究会、日本野鳥の会東京支部、そしてバードリサーチが共同で、関東の鉄道の駅1,758カ所すべてのツバメ調査をしました。
2013年に、都市鳥研究会、日本野鳥の会東京支部、そしてバードリサーチが共同で、関東の鉄道の駅1,758カ所すべてのツバメ調査をしました。
調査の事務局をされた渡辺仁さんによると、大まかには乗降者が多い駅のツバメ率が高かったのですが、乗降者がすごく多い都心の駅にはツバメは少ないので、駅周辺の状況も関係しているだろうということです。ツバメ率1位になった秩父鉄道は乗降客の少ないローカル線ですが、駅のある場所は自然が豊かでツバメの餌になる昆虫の多いのに、駅舎以外に巣を作れる建物が少ないことが、駅舎のツバメ率の高さにつながったのかもしれません。
順位 | 鉄道会社 | 駅の数 | ツバメの巣があった駅 | ツバメ率 |
1 | 秩父鉄道 | 35 | 12 | 34.3% |
2 | 小田急 | 70 | 23 | 32.9% |
3 | 関東鉄道 | 28 | 9 | 32.1% |
4 | 京王 | 66 | 21 | 31.8% |
5 | 京急 | 71 | 19 | 26.8% |
6 | 東急 | 92 | 22 | 23.9% |
7 | JR | 644 | 147 | 22.8% |
8 | 西武 | 90 | 18 | 20.0% |
9 | 京成 | 62 | 12 | 19.4% |
10 | 東武 | 202 | 39 | 19.3% |
京王電鉄の駅にツバメのフン受けを設置させてもらいました
天敵が近づきにくいように人通りの多い場所に巣を作るツバメは、よく鉄道の駅で巣作りをしています。でも残念なことに、こうした場所ではお客さんの上にツバメの糞が落ちるとよくないと考えて、巣を壊してしまうことがあります。バードリサーチでは人とツバメが仲良く暮らせるように、鉄道の駅、道の駅、サービスエリアなどに、簡単に取り付けられるフン受けや、ツバメ対応マニュアルを配布しています。今朝(2015/5/29)は東京都西部を走る京王電鉄の京王稲田堤駅と若葉台駅にフン受けを設置してきました。
取り付けをされているのは、フン受けの製作費を提供していただいているシーアイシーの社員の方です。シーアイシーはドバトなどの防除を専門にする会社ですが、鳥に優しい方法でフン害を防げるということで、ツバメ保全活動に協力してくださっています。また、活動費は皆様からの寄付金を当てさせていただいています。
こうした活動で守られる巣は全体の一部ですが、多くの人が目にする場所でフン受けを使ってもらうことで、ツバメと人は一緒に暮らす野鳥だという認識が広まってほしいと願っています。