2016年03月24日

5. ツバメの夫婦が越冬地でも一緒だったそうです

この記事は2015年4〜8月に発行した週刊つばめニュースを修正したものです。

連載の第一回で、ツバメの夫婦が翌年また日本に帰ってきたときは、別の相手と夫婦になることが多いという話をしました。ところが、ツバメ夫婦のきづなは、かなり強いのではないかと思わせる調査結果もあります。

スペインで繁殖しているツバメに小型の追跡装置を背負わせて調べたところ、二年続けて同じ巣で繁殖した夫婦のツバメは、渡りの日時・場所がほとんど一致し たそうです。繁殖地から南へ出発した日が同日(2012/9/9)で、越冬地の西アフリカへの到着日は一日差(9/20-21)、西アフリカでは互いに近 い場所で暮らしていて、さらに春にスペインへ出発する日が同日(2013/5/28)で、スペイン到着日は一日差(4/10-11)でした。

ジオロケつばめ.jpg

夫婦のツバメ1つがいと、夫婦でないツバメ2羽(こちらは異なる日に異なる越冬地へ渡りました)という4羽の記録しかないので、これがツバメの普通の行動なのかは分かりませんが、偶然と考えるには渡りの日が一致しすぎています。

4羽のツバメが渡った繁殖地と越冬地の距離は4〜5千キロで、1日平均320キロを飛んでいました。

この追跡装置はジオロケーターと呼ばれるタイプで、最近5年くらいでさまざまな小鳥類の調査に使用されるようになってきました。昔から使われていた追跡装 置は電波を発信するタイプで、小鳥に付けるほど小型化することができません。ジオロケーターは照度計とメモリを組み合わせた装置で、数分間隔で照度を記録することで日の出と日没の時間が分かり、それを基に緯度経度を計算することができます。電波による通信はできないので、記録を読み出すには鳥をもういちど捕まえて装置を外す必要が あることから、ツバメのように、毎年同じ繁殖地に戻ってくる習性のある鳥の追跡調査に使われています。

これまではツバメに足環を付けて、それが運よく越冬地で見つかることを待つ以外に渡りコースを知る方法がなかったのですが、ジオロケーターを使えば越冬地 や中継地を突き止めることができます。小さくなったとはいえツバメにとって負担のある装置なので(今回使用されたのは0.6g)、一層の小型化が求められ ますが、ツバメを守るためには、彼らが一年のもう半分を過ごす越冬地を見つけ出し、その場所のようすを知る必要があるでしょう。

参考文献
Juan Arizaga, Mikkel Willemoes, Edorta Unamuno, Jose M. Unamuno & Kasper Thorup (2015) Following
year-round movements in Barn Swallows using geolocators: could breeding pairs remain together during the winter?, Bird Study, 62:1, 141-145.
http://dx.doi.org/10.1080/00063657.2014.998623
posted by ツバメネット管理人 at 22:33| Comment(0) | つばめニュース
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