この記事は2015年4〜8月に発行した週刊つばめニュースを修正したものです。
軒下にツバメの巣が、いくつもいくつも並んでいることがあります。
どうしてなのでしょう?
どうしてなのでしょう?
ヒミツは、巣と巣が仕切られていることにあります。
集団営巣地のひみつ
ツバメが集まって巣を作っている場所を集団営巣地(またはコロニー)と言います。商業施設などでは、1件に1つの巣があるような住宅地に比べて、ツバメの巣が集中している区画が見られます。もちろん巣の数が多いのには、場所が広いとか、人通りが多いという理由もあ りますが、趣向を凝らした建築デザインが巣を集中させる原因になっていることがあります。そのデザインとは、ツバメの巣と巣を仕切る構造です。
東京大学の藤田剛さんが神奈川県平塚市で行った調査によると、牛舎の天井に縦横に走る梁に作られた巣は、「ある巣から別の巣が見えない」というルールで作 られていたそうです。また別の機会にお話ししようと思いますが、ツバメはこっそりよその巣に卵を産んで、他人に自分のヒナを育てさせることをするのです。 そこで、留守にしていることが隣人(ツバメです)にバレないような位置関係で巣を作っているのではないかと、藤田さんは推測しています。
このような巣作りのルールは、住宅の軒先でも観察できことがあります。2つ以上の巣があるお宅では、お互いが見える位置にある巣が同時に使われることは少ないはずです。
東京大学の藤田剛さんが神奈川県平塚市で行った調査によると、牛舎の天井に縦横に走る梁に作られた巣は、「ある巣から別の巣が見えない」というルールで作 られていたそうです。また別の機会にお話ししようと思いますが、ツバメはこっそりよその巣に卵を産んで、他人に自分のヒナを育てさせることをするのです。 そこで、留守にしていることが隣人(ツバメです)にバレないような位置関係で巣を作っているのではないかと、藤田さんは推測しています。
このような巣作りのルールは、住宅の軒先でも観察できことがあります。2つ以上の巣があるお宅では、お互いが見える位置にある巣が同時に使われることは少ないはずです。
仕切り板で巣を増やせるか?
埼玉県の道の駅庄和で、仕切り板を立てるとツバメの巣の密度を高められるか確かめてみました。道の駅庄和では、軒下に奥行20cmほどの板状の部分があ り、その上に数メートルの間隔で巣が作られています。実は、これは「互いの巣から見えない」ルールに反するのですが、何かの理由でツバメが好む場所では、 こうしたルール破りも起こります。それでも、巣同士はある程度の間隔を置いて作られていました。しかし私がある巣のそばに仕切り板を立てると、その板のす ぐ裏側に巣が作られたのです。こうした工夫をすれば、狭い場所でもたくさんのツバメに巣を作らせてあげることができます。もっとも、人が集まる施設ではツ バメの数は多からず少なからずがよいと思いますので、この方法は、ツバメが多いほどハッピーという方のご自宅で試されることをお勧めいたします。